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春の雪内容。

  ■■■■■詳しい粗筋を知りたい方へ■■■■■
映画は見ないし三島も読まないけど・・・どげな話じゃろか?とお思いのあなたへ。

ごくあらましだけ。

侯爵家の息子清顕とその親類の綾倉家の3つ年上の娘聡子の恋物語。

聡子は幼い頃より清顕に思いを寄せている。
清顕も気にはなっているものに、彼の気位の高さや屈折したその性格はそれを頑なに認めない。
いうならば・・・・ガキということですな。
しかも変に屈折した性格で大変タチの悪いガキなんですわ。(三島は自分の少年時代を重ねていると思います。)
とにかく・・・屈折しまくり。健全な魂とは言い難い。

恋というものが理解出来ず、またそういうものに否定的な彼。
また、聡子が彼を子供扱いするのが気にくわない。
いや・・・実際に子供なんだけどね。(18才。)

彼は父親を嫌っている。
軽蔑していると言った方が良い。
侯爵である彼の父はとにかく女癖が悪い。女中に手を付け・・・遊郭に通い・・・妾も囲っている。
清顕は、少年らしい潔癖さゆえもあり・・・その父を嫌っているふしもある。
父は清顕に「女遊び」を教えようとするけれど、彼はかたくなに拒む。(侯爵は女を抱くことで清顕はオトナになると思っている阿呆。)
それでいて・・・清顕は自分が「童貞」であることに執着している。

とにかく・・・コドモなのです。

そんなある日「清さま。私が突然になくなったらどうします?」などと聡子が彼に尋ねる。
そんな彼女の言葉を聞いて思い悩む彼。
いままで当然のように居た・・・自分に恋をしている美しい女性、聡子が居なくなる?
死ぬのか?
その不可解な問いかけに思い悩む清顕。きゃわいい。

しかし彼女の言った「いなくなったら・・・」の意味するところが・・・彼女の結婚であることを知りほっとしつつも・・・
(聡子は21になるので当時だと行き遅れ寸前。周りは縁談を持ち込むのだけれど
 清顕に思いを寄せる彼女はなかなか首を立てにふらないのだ。)
彼を翻弄するような言葉で悩ませた彼女が憎くてたまらない。

「俺を子供扱いしやがって!!」ってなふうに。

謎めいた言葉で彼の気をひこうとする聡子のことを「卑怯」とさえ思うほどに清顕はコドモなのです。

そこで彼は彼女に復讐を思い立つ。←ほんと・・・あきれるくらいに子供。自分のプライドを守る為だけですよ。

彼に想いを寄せている彼女に・・・「俺は童貞じゃないんだぜ!」という内容の手紙を出すのです。笑。
『遊郭で玄人の女を抱いた』と。(映画は女中を抱いたというふうになってたけど。)
嗚呼、考えることがホントにガキ。
全ては聡子より優位にたちたいがためだけの・・・ウソ。バカだな。

しかしそんなとき、シャムの国から王子が留学のために日本にやって来る。
(彼らの存在は原作では大変重要なのです。輪廻転生という大きなテーマから考えると。
 しかし映画ではあまり重要な存在としては描かれていない。)

そのお世話を彼がひきうけることになるのだが・・・
王子は国に残してきた愛しの恋人の写真を自慢した上に・・・「君の恋人を見せてくれ」という。

しかし恋人はおろか、まだ恋も知らぬ少年は「いない」というのが悔しい。
で・・・思いついたのが・・・聡子。

彼に思いをよせるとびきり美しい女性である。
すぐさま彼は彼女の侍女である蓼科に電話をし・・・「出した手紙は開封せずに火中にしてくれ」と頼む。
アレを見られて、彼女が彼を嫌いになっちゃったら困るでしょ?笑。
そして、自分のプライドのためだけに彼女をまるで許嫁のように王子たちに紹介することに成功したのだ。

彼は有頂天だが・・・聡子もまた・・・彼女の思いが通じたのだと喜び、恋心は更に燃え上がるのだ。
可哀想なのよ。聡子。

そんな手ひどいことをしても・・・まだまだコドモな少年は自分の事ばかりを考えている。

そんな中、彼女が実は例の手紙を読んでいるということが発覚。
手紙は火中にされていなかったのだ。
(聡子の侍女の蓼科が、聡子の切ない思いを知り、2人をくっつけようと図ったことだが、裏目に出た。)
しかもその手紙の内容が嘘であるということも彼女は知っているという。←映画では・・・本田(清顕の親友)からウソだときいたことになっていたけど
原作では聡子が侯爵に直接訊ねたとなっている。それくらい聡子は気の強い女性なのだよ。

屈辱。
ガキな彼は、彼女に辱められたと感じる。
全ては自分のせいなのにね。
そして彼は彼女への怒りに燃えるのでした。

そんなとき、侯爵家は聡子に宮様との縁談をもちかける。
清顕がきっと止めてくれると思った縁談だが、清顕はまだ子供っぽい怒りの中にいた。
しかし怒りに震えながらも・・・考えるのは彼女のことばかり。
彼が自分の思いに気が付くのは・・・
正式に宮様と聡子の婚約が決定してしまってからなのだった。。。

遅い!!!!!!!遅すぎるぜい!!!清さまよ!!

上に背くと知りながら・・・隠れて逢瀬を重ねる2人。
走り出した若者の恋はとどまることを知りませぬ。
身体を交わせば・・・これまた若さ故に離れられなくなっていく。

しかし・・・案の定というか・・・聡子は清顕の子を身ごもってしまう。
事が解れば・・・侯爵家も綾倉家も破滅である。
侯爵の提案で、聡子は子供をおろすことになる。

しかし、子供をおろした後・・・彼女は突然・・・出家。

宮家に嫁がないかわりに、この世では清顕とも二度と会わないことを誓う。

聡子を失った彼は、身体を壊し・・・この世を去る。
「又会うぜ。きっと会う。滝の下で。」と親友本田に言い残し。

この言葉が第二部、奔馬へと繋がるのだが映画では聡子との再会を意味する言葉のように使われていた。





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